コロナウイルス感染症対策業務に携わる保健師の仕事内容は?

保健師

こんにちは!たぬきちです٩( ‘ω’ )و

最近ブログのネタが思いつかないので、今日は私の現職の仕事内容を書いてみようかなと思います。

私は今、とある市の行政保健師をしています。部署は感染症対策の部署!この部署は、結核やノロウイルス、Oー157などの様々な感染症の疫学調査をしたりするのが主な業務なのですが、コロナウイルス感染症が流行したため、結核担当とコロナ担当に別れて業務を分担しています。

私はコロナウイルス感染症対策担当になりました。実際にどのような仕事をしているかご紹介します!

コロナウイルス感染症対策の主な業務内容

  1. 発生届の受付け
  2. 疫学調査(個人調査・施設調査)
  3. 濃厚接触者のPCR検査調整・外来受診調整
  4. 入院・ホテル入所の調整
  5. 健康観察

主に上記の業務に分けられます。ひとつずつご紹介していきますね♪( ´▽`)

①発生届の受付け

 

PCR検査や抗原検査で陽性になり、医師がコロナウイルス感染症に感染していると診断した場合、発生届が保健所に届きます。感染症によって発生届の様式はさまざまですが、コロナウイルスの発生届は、患者の基本情報(生年月日、住所、連絡先)、発病年月日、診断年月日、症状、診断方法、感染経路、コロナワクチン接種歴、重症度、リスク因子などなど、、、たくさんの情報が記載されるものになります。

発生届が届いたら、届出をだした医療機関に連絡し、医師に発生届の内容の確認と、告知済みかどうか、患者の現在の状態、高齢の方であればキーパーソンなどの必要な情報を聞き取り、受理します。すぐに入院が必要な状態であれば、受理後すぐに入院の調整に入ります。

②疫学調査(個人調査・施設調査)

発生届の受理が終わったら、早速疫学調査に入ります。まずは、陽性になられた患者に連絡し、現在の症状などを確認後、療養期間の説明を行います。

※コロナウイルス感染症に罹患した場合、就業制限をかけることになります。「発症日から10日間、かつ症状が軽快して72時間経過」すれば、人に感染させることはないという判断になり、就業制限は解除、つまり療養期間は終了になります。以前は陰性確認をした上で解除になっていましたが、一度感染したら死滅したウイルス(感染力のないウイルス)が体内に残っていることにより1〜2ヶ月後もPCR検査で陽性が出てしまう人もいるため、陰性確認はしなくて良い、という方針になりました。

 

そして、感染可能期間(人に感染させる可能性がある期間)の行動調査を行います。どこで、誰と、何をしていたか?詳しく聞き取りをします。感染可能期間は、発症日の2日前から始まりますので、発症日(症状が出現した日)がものすごく肝心になってきます!!(まあ正直、鼻水が出たとか、体がだるかったとか、症状はいろいろだし、コロナによるものかどうかなんてわかりません笑)

 

行動調査をした上で、濃厚接触者を特定します。濃厚接触者の基準としては「1m以内で15分以上の接触があったか」というところを主な判断基準としていますが、その時の環境によっても変わってくるので、これが濃厚接触者の定義だ!!!というものはありません。部屋の広さや、換気の状況、人との距離、マスクの着用状況、パーテーションなどの飛沫防止対策があったか、、などなどの環境面も考慮し、保健師と医師で検討した上で決定していきます。

感染可能期間に職場へ出勤していた場合、職場に調査が入ることもあります。それが施設調査です。

職場に連絡し、どこでどのような仕事をしていたか、誰と関わりがあったか、職場の環境面などを詳しく聞き取り、フロア図やフロア写真なども見ながら、濃厚接触者を特定していきます。高齢者施設や、学校、保育園なども同じです。

 

 

 



③濃厚接触者のPCR検査調整・外来受診調整

濃厚接触者が特定できたら、今度はその方達に連絡して、健康観察期間の説明やPCR検査の調整を行います。健康観察の期間は、「陽性になった患者と最後に接触があった日から14日間」。ものすごく長いですよね、、、さらに陽性の方が同居家族の場合、入院やホテル入所になった日から14日間。もし自宅療養された場合、療養が解除になった日から14日間です。これ説明したら、だいたいの人がブチギレます(笑)

同居家族の方が一番長いんですよね〜怒るのも無理はない。その間、仕事に行けないなんて。でも、怒られても困ります。保健所は感染対策を一番に考えた上で、そう伝えているのですから。笑

なぜ14日間なのかというと、陽性になった方と接触があった日にもし感染していた場合、14日以内に発症する可能性があると言われているからです。

仕事に行けない、学校に行けない、どうしてくれるんだ!!!と言われても、、、ほかの人に感染させないためには、そうしてもらわないと困るんです!まあ強制ではないので、それでも仕事や学校に行かないと困るんだよ!ほかの人のことなんてどうでもいいよ!という方は、会社や学校と相談してください!

濃厚接触者で症状が出ている人については、外来受診の調整を行います。何か症状があれば、普通病院に行きますよね。でも濃厚接触者で、もしかしたら感染しているかもしれない。そうなると、なかなか普通の病院は受け入れてくれません。濃厚接触者でも受け入れてくれる病院に、保健所が調整をして、受診してもらう形になります。

※参考に:PCR検査自体は公費適応になりますが、そのほかの診察料や、レントゲン・CTなどの検査をした場合は、公費適応外で保険診療となりますので、すべて無料でできるわけではありません!ある程度、普通に受診した時と同じようにお金はかかってきます。普通に発熱外来を受診した場合、PCR検査についても公費にするかどうかは、医師の判断になるので、保健所が決めることではありません。

また、PCR検査の検体回収も行なっています。濃厚接触者の方に直接お会いすることになるので、十分に感染対策をして行なっています。

 

    ④入院・ホテル入所の調整

    現在の症状や、リスク因子(高齢であるとか、基礎疾患があるとか)なども考慮した上で、優先順位をつけ、入院やホテル入所の調整に入ります。自宅から病院までの移送なども行います。

    感染者がものすごい人数になった時は、SpO2が90%前後の高齢者でさえも入院ができないという状況にありました。救急車を呼んでもらうしかない。本当にそんなことが、あるのです。どうしようもなく、おそろしいです。

    全員が入院やホテル療養ができる体制は、まだ整っていません。

     

    ⑤健康観察

    入院やホテル入所ができない方は、自宅療養となります。毎日、健康観察のために保健師や看護師が連絡をし、体調の確認を行なっています。

    連絡が繋がらず、安否確認ができない場合は、自宅に訪問したりもします。最近、自宅で亡くなられていたというニュースも聞いたりして、より一層、自宅療養中の方に対しての健康観察を徹底しています。体調を確認した上で、発症日から10日間、かつ症状が軽快して72時間経過し、もう人にはうつさないだろうと医師は判断した場合、療養は解除になります。療養が解除になったら、もう次の日から仕事や学校に行って大丈夫です。

    ただ解除になっても、再燃や再感染する可能性はありますので、感染対策は必要です。

    また最近はワクチン接種が広がってきていますが、2回接種した方でも感染はしていますので、ワクチンは感染予防ではなく、発症予防・重症化予防であるという認識のもと、ワクチンを接種したあとも安心せずに十分な感染対策が必要と言えます٩( ‘ω’ )و

     

     

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?感染者ひとりに対して、このようなことが行われています。感染者が1日に100人を超えてくると、そりゃあもう、追いつかないです。。濃厚接触者なんて、ひとりの感染者に対して1人〜10人以上いることもあるので、全員に連絡をしていたら、1日24時間じゃ足りません(゚ω゚)

    緊急事態宣言が出ると、やはり感染者は減りますね。市民にとって緊急事態宣言は店も閉まるし、営業できないし、仕事にならない!!やめてくれ!!という声が多いし、私自身も仕事を除けば、まじでつまらない世界。。。て感じです。ただ、保健師としては、緊急事態宣言のおかげで感染者が減り、夜中まで働くことも減るので、自分の健康を守れるという面では助かっています(笑)

    早く、マスクを外しておもっきり飲みに行ける日がくるといいな〜

    まあ、そういう日はいつか必ず来ますので( ´ ▽ ` )その日まで頑張って生きよっと!!

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