地域包括支援センターとは?保健師の仕事内容と転職するメリット

保健師

こんにちは(*’▽’)

今日は地域包括支援センターで働く保健師の仕事内容について詳しくご紹介したいと思います!!

そもそも保健師が働く場所は様々ですが、市町村や保健所で働く行政保健師が一番多いとされています。そのほかに、会社で働く人の健康を守る産業保健師や、学校の先生や生徒の健康を守る学校保健師、病院や健診センターで働く病院保健師、そして地域包括支援センターの保健師。働き方は様々です(*‘ω‘ *)

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは、65歳以上の方を対象とした介護・医療・保健・福祉などの「総合相談窓口」として運営する機関です!

保健師、主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)、社会福祉士の3職種が常駐し、それぞれの専門知識を活かして相互連携を図りながら介護や保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に対応しています。

市町村が実施主体なので、市町村の行政保健師が担っている場合もありますが、自治体から委託されて社会福祉法人や社会福祉協議会、民間企業などが運営していることもあります。

地域包括ケアシステムを構築するための中核機関としての役割を担っています。

地域包括支援センターの仕事内容

主な業務が4つあります。

  1. 介護予防マネジメント
  2. 総合相談
  3. 権利擁護
  4. 包括的・継続的マネジメント

教科書にはこのように書かれていますが、ぜんぜんイメージがつかないですよね。学生の頃は意味わからな過ぎて素通りしてしまっていました(;^ω^)そんな私が、実際に地域包括支援センターで働いた経験をもとに、詳しく解説していきます☆

①介護予防マネジメント

介護保険で要支援の認定を受けた人が、自宅で自立した生活が送れるよう、介護保険のサービスを利用して介護予防を行うためのサポートをする!!(ざっくりやな。)

(※細かいこと言うと、介護認定で要支援1・2の方と事業対象者の方しか担当できません。要介護1~5の方は居宅介護支援事業所のケアマネージャーが担当になるよ!)

主に、家庭訪問介護予防ケアプランの作成を行います。相談が入れば家庭訪問し、介護保険についての説明や、介護保険の申請代行などを行います。またサービスを利用する場合は、介護予防支援計画書(介護予防ケアプラン)を作成し、継続した介護予防支援を行います。

介護保険のことなんか全然知らずに入ったけど(笑)やっていくうちにわかってきます。毎日が勉強ですね!1年くらいで何とかなります。やりながら覚えたらいいです(‘ω’)ノ

では、ちょっと事例を使ってどんな風に支援するのか見ていきましょう!

<事例1>

「一人暮らしの89歳の女性。自宅の風呂場で転倒、右大腿骨頚部骨折し入院。2週間経過し、週末退院になると、病院の相談員から連絡あり。筋力も低下しており、買い物や掃除の支援が必要。また歩行が不安定であるため歩行器の使用が必要。お風呂場で転倒したこともあり、手すりの設置や、シャワーチェアが必要な状況。介護保険の申請はしていない。」

こういった電話が病院から入ります。その時に、この女性の名前・年齢・住所・生年月日を確認し、状況を詳しく聞き取ります。入院した経過や疾患名、治療内容、退院時期、親族はいるか、キーパーソンは誰か、現在のリハビリ状況や回復の見込み、どんなサービスが必要になるか、認知機能面などの情報収集を行い、アセスメントします!(ほらほら、お得意のアセスメントだよ。)

入院中であれば、退院までに病院へ行って現在の状態や本人の意思を確認したり、介護保険の説明や申請の代行をしたりもします。

この方の場合は、まず介護保険の申請が必要です。そして介護保険のサービスを利用して、買い物や掃除などの生活支援を行う訪問介護(ホームヘルパー)の利用と、福祉用具(歩行器)の貸与住宅改修で自宅内の手すり設置や段差解消、福祉用具(シャワーチェア)の購入を進めていきます。それぞれの事業所(ヘルパー事業所や福祉用具事業所)に連絡し、対象者の状況を伝えて、退院に合わせて福祉用具やヘルパーが利用ができるように調整するんです。

※いろんな事業所さんと連携するので、看護師の頃よりもいろんな職種と関わりをもてますよ!出会いは多いかもしれない・・・(*’▽’)希望の眼。

<事例2>

「86歳の男性より包括に連絡あり。最近、筋力の衰えを感じるので、何か運動したりできないかと相談あり。介護保険の申請はしていない。」

この方の場合も同じように、まず電話である程度の情報収集をします。そして、地域の筋トレ教室などを紹介したり、介護保険で利用できるデイサービスを提案。その方の希望や状況に応じて、提案するものを変えて紹介します。必要に応じて介護保険の申請代行を行い、サービスへとつなげます。

電話相談のみの場合もありますが、基本的には電話相談のあとに担当を決めて自宅訪問!!実際に自宅に訪問することで、自宅内の環境を確認することができ、そのほかに必要な支援がないかアセスメントできます。

サービスを利用するには、必ず介護予防ケアプランが必要なので作成し、担当者会議(本人と各事業所担当を集めて本人の現状となぜこのサービスを利用する必要があるのか、何を目標にどのいくらの期間で利用するのかなどを確認し、同意を得る会議)を行います。

またサービスを利用開始した高齢者には、月に1回は電話モニタリング、3か月に1回は訪問モニタリングをして、状況を確認します。このように、介護を予防し、適切なサービスへとつなげる役割があります!(^^)!

このモニタリング電話や訪問が本当に楽しい!!みなさんのこれまでの暮らしや、どんなふうに生きてきたのか聞くと、ものすごい波乱万丈な人生を歩んで来られた方や苦労して来られた方など、さまざまなお話をお聞きすることができて、とても貴重な時間です。高齢者分野がお好きな方には、この仕事は天職かなと思います\(^o^)/

②総合相談

介護のことだけでなく、医療機関の相談認知症引きこもりなどの相談も入ります。その都度、状況に応じて家庭訪問し、適切な機関へとつなぎます。

最近は、本当に認知症の相談が増えていて、徘徊する高齢者も増えています・・・(*_*)認知症による生活への支障を介護保険サービスで補ったり、家族さんのレスパイトケアを行ったりして、認知症がありながらも住み慣れた地域で生活ができるように支援していきます。

私は認知症の相談ケースが結構むずかしいなと感じました。家族さんから、認知症の進行はあるが病院受診ができない、どうしたらいいの?とか・・・地域住民から、隣の○○さんが認知症で困ってるんだけど、なんとかなりませんか?などなど・・・

えええ、どうしたらいいかと言われても・・・なんて言ったらいいんや・・・どうしよう・・わからん・・・・・・・Σ( ̄ロ ̄lll)ってことは多々ありました。経験を積むしかないですね。周りの人の対応などをいつも観察して、自分のものにしていきました!(あの頃はポンコツだったなあ)

③権利擁護

認知症により判断能力や理解力が低下し、金銭管理ができなくなった高齢者の方に対して、成年後見制度の活用をサポートします。また高齢者虐待についても対応しています。相談が入ればまず安否確認し、その後の対応・防止・早期発見に努めます。

成年後見制度は未だによくわかっていませんが(あかんやん。)、実際のケースで関わりながら学ばせて頂きました。このあたりは、社会福祉士さんが詳しいので、社会福祉士の方がよく担当してました。

高齢者虐待はとっても難しいので、私は担当したことがありません。これは本当に慎重にやっていかねばならないので、、、最初は見て学ぶ感じですね。

一度だけ、虐待ケースの件で電話が入り、担当の者がいなかったので私が代わりに聞いたんですけど、「虐待の跡らしきものがあった」とヘルパー事業所からの報告でした。それをあとから担当に伝えると、「最終の安否確認はいつ?今は大丈夫なの?」と言われました。私は確認しておらず・・・(;゚Д゚)何も知らない私でも、それだけは確認しておかねばならなかった!!虐待ケースでは、まず安否確認が第一優先!!ってことを学びました(笑)基本の「き」かもしれない(笑)

④包括的・継続的マネジメント

私は学生の頃、この包括的・継続的ケアマネジメントが一番よくわかりませんでした(;^ω^)でも働いてみてわかった!!これがまさに、地域包括ケアシステムを構築するための中核機関の役割だったのです!!

包括は、様々な事業所や医療機関と連携し、地域で暮らす高齢者をつなぎます。たとえば、地域ケア会議。民生児童委員や老人福祉員、自治会長さん、サービス事業所、居宅介護支援事業所(ケアマネ)などをお呼びして、地域の課題それぞれの役割について話し合います。話し合う内容によっては、医療機関や警察署、役所の保健師などにも参加してもらいます。

また居宅介護支援事業所のケアマネージャーに対して、支援困難事例などへの指導やアドバイスなども行います。

地域で暮らす方たちが、住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう、様々な機関と連携し、ネットワークを構築するのが包括の役割!包括なんてなくても地域の方たちが自立して暮らせることが、一番の目標なんですね。

看護師の経験は活かせる

看護師の経験は、めちゃくちゃ活かせます!!!

私は看護師を2年経験してから地域包括支援センターの保健師になりましたが、看護師として働いて得た知識や、判断力予測する力などは、保健師としても必要でした。また社会福祉士や主任介護支援専門員といった専門職は、介護に関する知識に長けていますが、看護師に求められるのは医療の知識です。よく病気のことや薬のこととかを聞かれたので(あんまわからんかったけど)、頼られている感じしました!(笑)

具体的には、疾患を持ちながら暮らされている方の治療のことや、その後の経過が予測できたりして、アセスメントや適切な支援、助言をすることができました。

また家庭訪問時に状態が悪化しており、身体状況を確認して救急搬送の連絡をするなどして、一命をとりとめたこともあります。(入って1年もたたないうちに3回も救急車呼びました・・・お祓い言ったほうがいいかな。)

まとめ

実際に地域包括支援センターで働いてみて、在宅の難しさを感じました。病院にいるときは、退院することが目標だと思っていましたが、みんなその後の生活があって、病気を持ちながらも自宅で暮らされていることを痛感。住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、在宅でのサポートがものすごく重要なんだなと思いました。

看護師の経験は、包括でもめちゃくちゃ活かせます!!そして包括でしか学べない介護の現状や在宅医療など、たくさんの知識や経験が得られます。また病院に戻ったとしても、その経験は必ずキャリアとして積み重なり、質の高い看護につながると確信しています。また介護の現場で、より高齢者と密に関わることができるのは、行政保健師では経験のできないと思うので、キャリアアップにつながりますね!(`・ω・´)

総じて、地域包括支援センターで働いてよかったです!!🎵

コメント

タイトルとURLをコピーしました