こんちは٩( ‘ω’ )وたぬきちです。
この前、転職を考えている看護師さんから「地域包括支援センターの保健師になって実際どうだったか?」というご質問をいただきましたので、今日は地域包括支援センターの保健師になってよかったことと、思っていたことと違う!!というギャップについて率直にお話ししようと思います!!
地域包括支援センターに入ってよかったと思うこと
- 担当になった高齢者と長期的に関われる
- 苦手だった介護保険について学べた
- コミュニケーション力やアセスメント力が身に付く
- 土日祝日に休めて残業もほとんどなし
- 自分で予定が組める
担当になった高齢者と長期的に関われる
病院に勤めていた頃は、患者さんとじっくり関わる機会がありませんでした。でも実際患者さんたちって、退院がゴールではない。退院したあとには自宅に帰り、家族と暮らす人や、ひとりで暮らしている人もいて、治療を続けながらも生活をしていかなければならない。
地域包括支援センターは65歳の高齢者を対象としています。介護保険を利用したり、自主グループに繋いだりと、社会資源を活用しながら、住み慣れた地域で生活が続けられるようにサポートするのが、主な役割です。
地域の高齢者の方やそのご家族さんから様々な相談が入ります。担当になれば、初回の訪問からその後の介護保険の申請、利用の開始、また利用が始まってからもずっとモニタリングの電話や訪問をすることになります。骨折などの突発的な理由で短期間の介護が必要になった場合を除けば、ほとんどが長期的に介護サービスを利用することになるため、利用が終了するまでは、担当替えがない限り、ずっと担当することになるでしょう。
とても長い付き合いになります。毎月電話したり訪問したりするので、少しずつ信頼関係も築いていけるし、その方とじっくりお話しをして、どんな暮らしをしてきたのか、どのように暮らしていきたいのかなど、その方の思いに寄り添いながら、支援することが可能です。とてもやりがいがあります。
訪問するのはとても楽しいです。介護サービスを利用することで、生活が楽になったと言われたり、目に見えるほど筋力が向上して杖なしで歩けるようになる方などもいて、以前よりも生き生きとお話しされる姿を見ると、なんとも嬉しいものです。
その代わり、つらいこともあります。長期的な関わりになるため、辛いことがあった時は、本当に落ち込みます。感情移入しすぎず、専門職として関わることがとても大切です。
苦手だった介護保険について学べた
大学に通っていた時は、公衆衛生学が一番苦手でした(笑)特に、介護保険!!要支援とか要介護とかサービスとかいろいろあったけど、全部意味もわからず丸暗記。。めちゃくちゃ苦手だったけど、地域包括支援センターに入ってから実際にやりながら勉強することで、やっと理解することができました。
勉強は入ってからでも遅くはありません。というか、やりながらじゃないとあんなの覚えられないですよ( ´ ▽ ` )bこの知識は、行政保健師になってからも生かすことができています。見えない相手でも、介護度や利用しているサービスを見ることで、どのような方なのかがある程度想像ができるようになりました。また、地域で暮らす人々を適切な機関に繋げる中核的な役割もあるため、ケアマネさんや医療機関との連携の仕方、地域組織の役割なども学ぶことができ、どこに繋げれば良いケースなのかも分かるようになりました。
コミュニケーション力やアセスメント力が身に付く
毎日いろんな相談が入るので、初めましての方ともお話しする機会が多いです。いろんな方と関わる中で、相手に合わせた話し方や聞き方などが自然に身につきます。
また地域包括支援センターには、保健師だけでなく、社会福祉士、主任介護支援専門員(いわゆる主任ケアマネ)がいるため、多様な視点からケースを見ることができ、アセスメント力が高まります。これも、地域包括支援センターの魅力の1つかなと!!
土日祝日に休めて残業もほとんどなし
私のいた地域包括支援センターは、残業はほとんどありませんでした!!これは素敵!!そして基本的には、土日祝日は休んで良い感じでした。
ただ、法人が定めている就業規定で「公休は月9日」と決まっていたため、祝日が多い月や年末年始などは、有休を利用して休まなければならなかったり、土日も行事に参加するために出勤しなければならなかったりと、確実に土日祝日休みというわけではありませんでしたね(;ω;)
これは法人によって違うと思うので、ぜひ調べてからご検討を!!
自分で予定が組める
看護師と違って、自分で1日の訪問時間を組んで予定を入れるため、休みたい日とか、早く帰りたい日なども自分で決めることができました。なので、母親世代の方も多くおられ、子どもが熱出たから帰りますとか、お迎えに行くので帰りますとかも、普通にありました。ママさんでも働きやすい職場だと思います。
思っていたのと違う!と感じたこと
- 土日祝日も出勤がある
- 電話当番がある
- ヘビーなケースも多い
土日祝日も出勤がある
これは、よかったと思うことに挙げた「土日祝日に休める」というメリットと真逆になるのですが、先ほどもお伝えしたように、地域の行事に参加しなければならなかったりもするので、確実に土日祝日休みとは限りませんので、要注意です!!
電話当番がある
これも法人によって違うようですが、私がいた地域包括支援センターは24時間体制を取っているため、電話当番というものがありました。職員が6名いたのですが、6名で1週間ごとに交代で電話を持って帰ります。その場で答えられる相談内容なら良いですが、夜や休日に市民の方から「○○さんを最近見かけない。どうしよう。」とか「認知症の母のことで相談があって・・・」など、安否確認しなければならないケースや、支援困難なケースなどの相談も入ることがあり、対応が難しいケースもひとりで判断しなければならない場面もありました。
もちろん、夜間や休日でもひとりで判断できない場合はセンター長に連絡をして相談をすることになっていますが、こういったケースを繰り返し対応することで、こういう時は誰に繋ぐべきか、どのように初動対応すべきかなど、自分で考えて動ける力を身につけることができたと思います。
ただ、最初はわりと精神的にもしんどかったことは確かです^^;
ヘビーなケースも多い
先ほどもお伝えしたように、安否確認の相談や認知症の相談など、なかなかにヘビーな相談も入ります。安否確認の場合は、民生委員さんや老人福祉員さんなどの地域の方々に協力してもらったり、最後には警察署とも連携をして安否確認を行なったりもします。
認知症についての相談はものすごく増えていて、家族だけでなく近隣住民からの相談もあり「困っているのでなんとかしてほしい!!」と無茶苦茶な訴えをされることも・・・(笑)ただ一人暮らしで家族も疎遠で、なかなか介入できないケースも多くありました。その場合、成年後見制度の利用を進めていきます。成年後見制度はいまだに私もわからないことだらけですが、ケースを通じて学ぶことができました。
あとは8050問題と言われる、引きこもりのケース。高齢者の引きこもりだけでなく、高齢者が引きこもりの子供を養っているというケースも増えています。対象年齢が異なるため、行政保健師と協力しながら支援することもあります。
そして、高齢者虐待。これは最もヘビーなケースです。社会福祉士さんが担当していたため、私はあまり関わることはなかったですが、虐待通告の連絡を受けることはあり、初動対応なども学ばせていただきました。支援が難しく、他職種とのカンファレンスを適宜行い、慎重に動いていかなければならないケースで、学びも多かったです。
思った以上にヘビーなケースがあり、精神を削られることもありました。最初は慣れず、わからないことも多かったため、手探り状態でケースを担当していましたが、現場で学ぶことが多かったです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?地域包括支援センターは、現場で働く保健師!という感じです。その分、ものすごく力は付きます。行政保健師になった今も「地域包括支援センターで働いていた」というと、なぜかみんな「ああ、それなら大丈夫だね」といった雰囲気になります。なんなんでしょうか(笑)まあ、それほどの経験ができるということですね。きっと。保健師としてのキャリアアップは必ずできると思います。
やりがいはめちゃくちゃあると思います。しんどいこともありますが、自分の支援によって目に見えるほど成果が出たりもするのも楽しいし、何よりも地域の方々とじっくり関わることができるのは、ものすごく自分の人生にとってもかけがえのないものになるはずです。
また質問などあれば、ご連絡ください٩( ‘ω’ )و
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